🧠 AI開発ナレッジ2026年2月10日9分で読める

Spec-first Context Pack — AIコーディングエージェントがブレない最小セット

AIコーディングの品質はモデルより“前提”で決まる。仕様・禁止・レビュー観点をMarkdownで固定するための最小Context Pack(4ファイル)と、毎日回る運用ループをまとめた。

この記事で分かること

  • AIコーディングがブレる根本原因(コンテキストドリフト)
  • ブレを抑える「最小Context Pack(4ファイル)」の具体例
  • ソロでも“毎日回る”Spec-first運用ループ

背景: なぜAIコーディングはブレるのか

AIコーディングの失敗は、だいたい次のどれかに収束する。

  • 仕様が曖昧(「何を作るか」より「何を作らないか」が書かれていない)
  • ルールが曖昧(PR粒度、依存追加、エラーハンドリング、ログ方針が毎回変わる)
  • “安全にやってはいけないこと”が曖昧(秘密情報、破壊的操作、外部通信)

これを解決する最短ルートは「会話で頑張る」ではなく、前提をファイルに固定することだ。

最小Context Pack(4ファイル)

リポジトリ直下に context/ を作り、まずは4ファイルだけ置く。

context/
  product.md
  workflow.md
  architecture.md
  safety.md

1) context/product.md(仕様)

# Product

## Problem
- 誰の、どの痛みを解決するか

## Goals
- 今スプリントで達成すること(3つまで)

## Non-goals
- やらないこと(重要)

## Definition of Done
- 受け入れ基準(チェックリスト)

2) context/workflow.md(開発ルール)

# Workflow

## SDD First
- specがない実装はしない

## PR / Diff
- 1PR = 1目的(巨大PR禁止)
- 変更理由を必ず残す(Why)

## Testing
- 変更に対応する最小テストを追加

3) context/architecture.md(設計の前提)

# Architecture

- 採用スタックと理由
- データの流れ(1段落で)
- 触って良い範囲/触らない範囲

4) context/safety.md(禁止事項)

# Safety

## Never do
- 破壊的コマンド(delete/drop)を実行しない
- 秘密情報をコミットしない

## Always do
- 変更前に影響範囲を列挙
- 不明点は質問して止める

どう運用に落とすか(ソロ向け)

ループは「Spec → Small Diff → Review」

ソロでも、1日で回る粒度に切る。

  1. product.md に “今日のゴール” を3つまで書く
  2. 1ゴールをさらに分割して、小さな差分で実装する
  3. 差分を「要約・リスク・テスト観点」でレビューする

このループに乗ると、AIの提案がズレた時も 戻る場所(仕様)がある

どのツールでも効く(CLI/IDE/OSS)

Context Packはツール依存の機能ではなく、人間の運用資産だ。
Claude CodeのようなCLIエージェントでも、Cursor/ContinueのようなIDE拡張でも、同じ思想が効く。

関連プロダクト

まとめ

  • AIコーディングの勝ち筋は「モデル選定」より「前提固定」
  • まずは4ファイルだけ置く(仕様/ルール/設計/安全)
  • ソロは“毎日回る粒度”に落とした瞬間に強くなる

参考リンク: Anthropic / Cursor / Continue